のけぞる!暴れる!ギャン泣き!そんなひどい夜泣きが続くと辛いし、悩んでいるママは多いですよね。
泣くから抱っこしても泣き止まず、授乳してもミルクをあげてもダメ、そうなってくるとイライラもするばかり。
夜泣きも新生児の頃から始まり、1歳になり、2歳になり、3歳になり、いつかは夜泣きもおさまるはずだと思っていたのに、全然おさまらない!
育児の口コミなどでは、自然になおることが多いと書かれていることも多いですが、一向におさまる気配がない。
夜泣き対処法も効果がなく、途方に暮れている方の救世主になるかもしれないのが兵庫県立リハビリテーション中央病院の「夜泣き外来」です。
兵庫県立リハビリテーション中央病院の「夜泣き外来」とは?
兵庫県立リハビリテーション中央病院で、子どもの睡眠と発達医療センター長の菊医師を中心に、睡眠障害が疑われる乳幼児を対象とした「夜泣き外来」が開設されました。
乳幼児の睡眠障害は、運動や言葉の発達を遅らせたり、注意欠如多動性障害(ADHD)やコミュニケーション障害、自閉症に似た症状があり、医療が関わるべき問題だと、専門外来を立ち上げたそうです。
発達障害の予防や早期発見にもつながるだけではなく、子どものひどい夜泣きで眠れない親の精神的負担を和らげることによって、虐待防止にもなったり、多方面での問題解決に期待がされます。
ただ「夜泣き外来」は、とても珍しく、全国から患者さんが受診に訪れるため、予約が2ヶ月待ちになることもあり、すぐの受診は難しいようです。
夜泣き外来を受診できる年齢は?
兵庫県立リハビリテーション中央病院の「夜泣き外来」は、眠れない乳幼児のための外来で、受診できる年齢は6か月~4歳未満と決まっています。
診察を希望する場合は予約が必要で、かかりつけ医からの紹介状を持参する必要があります。
夜泣き外来以外の睡眠障害や発達障害は、初診時に生後6か月から中学3年生までであれば、受診可能です。
夜中眠れずに何度も起きて泣く、泣き出すとのけぞったり大暴れする、ぐずってなかなか寝付かない、日中機嫌が悪い、夜泣きでストレスが溜まって虐待しそうだ、といった症状に悩む4歳未満の乳幼児をもつ保護者の方は受診を検討してもいいかもしれませんね。
夜泣き外来でのアドバイスや治療法は?
7歳以下の平均的な睡眠時間の目安は10時間ほどで、通常の睡眠リズムを身に付けるための指導が行われます。
まずは、親のみでカウンセリングを1時間ほどし、その間、子どもは保育士や作業療法士がみてくれていて、発達などのチェックをするようです。
生活パターンを把握し、具体的なアドバイスもしてくれます。
一例として・・
・日中に外遊びをさせる。
・昼寝は午後3時までに済ませる。
・1歳まではカフェインを禁止する。
・スマートフォンを寝かしつけに使用しない。
・寝る2時間前までには夕食と入浴を済ませる。
乳幼児の寝つく力を育むため、抱っこしたり、夜間に授乳したりしないなど、いままでと違う習慣の変化をアドバイスされることも。
そして、今まであまりされてこなかった、夜泣きに対し、必要に応じて睡眠に関わるホルモン「メラトニン」も投与する薬物治療を行うこともあるようです。
それでも効果が見られない場合や、虐待がある場合などは入院治療をすることもあります。
ちなみに乳幼児、子ども、大人の推奨される睡眠時間は、
・生後4ヵ月~11ヵ月は、12~16時間
・1~2歳は、11~14時間
・3~5歳は、10~13時間
・6~12歳は、9~12時間
・13~18歳は、8~10時間
・大人は、7~9時間
夜驚症と夜泣きの違い
ひどい夜泣きが続くと、夜驚症を疑うこともありますよね。
そこで、夜驚症と夜泣きの違いを調べてみました。
【夜泣き】
眠りが浅い途中で泣き出すのが夜泣きで、少しあやしたり覚醒させることで泣き止みます。
【夜驚症】
それに対して夜驚症は、深い眠りの途中で突然泣き叫んだり、暴れたりしますが、5分ほどで何事もなかったかのように、また眠るのが特徴です。
3歳から7歳くらいの幼児に多く見られ、泣き叫んでいる間、脳の感情・情緒(不安・怖い・嫌だという気持ちなど)をつかさどる部分『大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)』だけが働いていている状態になります。
大脳辺縁系だけが働き、ほかの部分は眠っている状態なので、声をかけても反応しませんし、本人は泣き叫んでいたことを覚えていないことがほとんどです。
夜驚症だけじゃない!子どもの睡眠に関する病気
乳幼児、子どもの睡眠に関する病気は夜驚症だけではありません。
不眠症
乳幼児不眠症は、生後6か月以降に、眠る環境を整えても以下の不眠症状が出る場合など。
・夜間に続けて8時間以下しか眠れない。
・夜間に覚醒し再入眠に20分以上かかる。
・22時以降にしか入眠できず、8時以降にしか起床できない。
・寝る時間や起きる時間が定まらず、日ごとに90分以上のばらつきがある。
などの睡眠障害があり、そのため昼間も、不機嫌、かんしゃく、不活発、動作緩慢、眠気、不規則な昼寝などの症状が出る。
子どもの脳の発達に影響を及ぼすこともあります。
過眠症
昼間に場所や状況に関係なく、強い眠気発作が起こる、眠り過ぎる病気です。
代表的なものに、ナルコレプシー(居眠り病)があり、筋肉の力が抜ける脱力発作を伴い、倒れたり、膝の力が抜けたりすることがあります。
原因はオレキシンの欠乏症です。
15歳前後から発症することが多いようです。
レストレスレッグズ症候群(むずむず脚症候群)
下肢に不快な感覚が生じ、じっとしているとひどくなるので、下肢をこすり合わせたり、たたいたり、歩き回ったりして眠れなくなります。
原因は不明ですが、しっかり眠れると消失します。
別名、むずむず脚(あし)症候群とも言います。
睡眠時随伴症
眠っている間に起こる無意識の行動で、夜驚症と遊行症(夢遊病)があります。
原因は不明で、睡眠中に泣き叫んだり、怒ったり、家中を歩き回ったり、階段を上り下りしたりという行動が、長ければ10分間ほど続き、再び何事もなかったかのように眠りにつく発作です。
本人は何も覚えていません。
また、夜尿症も睡眠時随伴症のひとつです。
概日リズム睡眠・覚醒障害
昼夜逆転するなど、睡眠時間帯が通常と異なり、体内時計が乱れた睡眠障害です。
不登校の原因にもなります。
睡眠時関連呼吸障害(睡眠時無呼吸症候群など)
睡眠中の呼吸異常症で、眠っている間に、血液中酸素濃度が低下し、睡眠の質が低下します。
眠っても疲れがとれない、記憶力や注意力、意欲が低下する、昼間に強い眠気に襲われるなどの症状があります。
まとめ
ただの「夜泣き」だと思っていたのに、なかなか改善されないのは辛いですよね。
持続する子どもの睡眠障害は、記憶力・判断力・注意力・意欲が低下させたり、自律神経機能が乱れたりと、様々な弊害が起こることも。
一人で悩まず、「夜泣き外来」なども手段としてあることを知っていただけたらと思います。
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